2024/12/20

『眺め』

ブルーエゴナク代表で劇作家・演出家の穴迫信一の作品は、自在に次元を往還する劇世界が特徴。今作でも過去と未来、上下・縦横に次元の違う世界が複数存在する、人間の心や記憶を具現化したような並行世界が舞台だ。18歳の青年・日差しが恋人の森ちゃんに振られたことを発端に、日差しが森ちゃんとの関係修復のためにタイムトリップする「過去」と、日差しが出会った同じくタイムトリップする女性・と森ちゃん、二人に深く関る女性・ノミを描く「未来」が主軸となる。その二編とは異なる軸上で自分の過去の記憶を独白する女性・せかいと、字幕上で発語しては消えていく「声」たち(女性、森ちゃんの失踪した父親、アシダカグモ)が刹那の出会いと別れを繰り返す。絡み合う「声」と言葉、記憶の上書き、夢想の中で見る死と生の狭間の風景。広げかけた扇のような薄い段差と奥の壁(「声」たちの言葉が投影される)だけの白い無機的な空間には、デジタル音楽やノイズが響き、そこで紡がれるキャラクターたちの時間を超越した交流は、「懐かしい未来」の肌触りを観る者に味わわせてくれる。

2021
北九州芸術劇場 小劇場

製作(オンライン配信):国際交流基金 (JF) (https://www.jpf.go.jp/)
製作協力:一般社団法人EPAD (https://epad.jp)

<公演情報>
出演:平嶋恵璃香(ブルーエゴナク)、野村明里(ブルーエゴナク)、小関鈴音(ブルーエゴナク)、高山実花、木之瀬雅貴(Massachusetts)、日髙啓介(FUKAIPRODUCE羽衣/レトル)、重実紗果、菅 一馬

脚本・演出:穴迫信一(ブルーエゴナク)
舞台監督:森田正憲((株)F.G.S.)、北方こだち
音響:甲田 徹
照明:礒部友紀子((有)SAM)
映像:小西小多郎
振付:吉元良太
音楽:COMPUMA
制作:(合)Kitaya505
企画制作・主催:ブルーエゴナク

<オンライン字幕> 本映像の多言語字幕は一般社団法人EPADが2024年度に文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(全国キャラバン)|独立行政法人日本芸術文化振興会)の助成を受けた事業の一環として作成されました。

簡体字字幕翻訳:呉珍珍
繁体字字幕翻訳:SWSG
英語字幕翻訳:山縣美礼
フランス語字幕翻訳:パスカル・ドドゥリス
スペイン語字幕翻訳:ダビ・タランコ

<広報文>
尾上そら

<カンパニーウェブサイト>
https://buru-egonaku.com/